| ■K9ゲーム®との出会い |
| 本部: |
第1回K9ゲーム®は、いつ、どこで開催されたのですか? |
| 博士: |
観客を入れたイベントとしては1995年にサンフランシスコで開催したのが初めて。翌年はロスアンジェルス、そしてその次の年はワシントンD.C.だった。そしてその後3年間は、カナダのトロントにあるトロント・スカイ・ドームという野球スタジアムでやったよ。 |
| 本部: |
最初から観客を入れたイベントができるほど十分な参加者が集まったのですか? |
| 博士: |
人を集めるのはまったく大変じゃなかったよ(笑)。それどころか、参加したいと言う人が多すぎて、断らなくてはいけなかった。チーム対抗の大会だから、各チーム9人と9頭のイヌとすると、それだけでも72人と72頭のイヌになる。8チームが限界だった。
参加者は、トレーナーが自分の受け持つクラスの生徒を集めてチームを作ったんだ。K9ゲーム®の最大の売りは一般の愛犬家のための競技だということだからね。その頃の、まぁ今もだけど、イヌのための競技といったら、プロの訓練士が参加するものばかりだっただろう?訓練競技会とか、シュッツフントとか、ハンティングドッグ・トライアルとか。だけど、これは一般の愛犬家のための競技。だからすごく楽しい。みんな勝つために一所懸命がんばるけど、勝てなくたって別にいいから、他の競技みたいに真剣にやりすぎて他の参加者を批判するようなことは起こらないんだ。 |
| 本部: |
K9ゲーム®を始めた頃は、どのゲームが一番のお気に入りでしたか?そして今は? |
| 博士: |
一番は、間違いなく「イヌとワルツ」だね。このゲームには毎回本当に驚かされる。このゲームにはルールは一切なくて、ハンドラーとイヌのペアか、9人と9頭(実際は何ペアでやってもOK)が、音楽に合わせて自分たちで考えた振り付けで踊るんだ。曲に合わせてイヌと踊るフリースタイル・ヒーリング(ヒールワーク・トゥー・ミュージックとしても知られる)をやる人が多いけど、過去には寸劇や、オペラなんかもあったよ。ハンドラーの無限の想像力は本当にすばらしい。1995年にK9ゲーム®を始めた時も、現在も、私の中ではこのゲームが変わらず一番だね。
もう一つすごく気に入っているゲームがミュージカルチェア。このゲームには、真の家庭犬に必要な要素がすべてそろっている。稲妻のように早いオスワリと、どんな誘惑にも負けないオスワリ、この2つをしっかり教えることができれば、そのイヌは最高のコンパニオンになるからね。それにこのゲームは誰でも参加できる。だから楽しいんだ。
ドギーダッシュも同じ。これは2頭ずつレースをして、勝ったほうが次のラウンドへ進むというゲームだけど、ここでは呼び戻しよりも、その後のオスワリの早さの方が重要なんだ。このゲームのすばらしいところは、早い呼び戻しはもはや当たり前になっていること。どのイヌも、すばらしい呼び戻しができるんだ。早い呼び戻しというのは、イヌが「ママのところに走っていくのが大好き!」「ママのところに行ってオスワリをするのが大好き!」と言っているということだから、気質のテストでもあり、飼い主との信頼関係のテストでもある。早い呼び戻しほど飼い主とイヌとの信頼関係を表すものはないよ。それに展開の早いゲームだから見ていて楽しい。
あとはトイレトリーブ。レトリーブ(物を持ってくる)ゲーム。これは、上手なハンドラーとイヌがやると、最高に盛り上がるんだ!イヌが本当によくトレーニングされていて、ただ物を持ってくるだけじゃなくて、ハンドラーが指定した物だけを持ってくる。もちろん、触ってはいけないペナルティー・ボーンには触らずにね。すばらしいよ。 |
| ■第1回ジャパンK9ゲーム®開催! |
| 本部: |
ジャパンK9ゲーム®に参加したイヌの印象はいかがでしたか? |
| 博士: |
驚いたよ、すごく良くできていた。他のイヌに対しても友好的だし、落ち着いていたしね。最初(2005年6月、山中湖にて行われたK9ゲーム®ワークショップ)のゲームの時でさえ、トレーニングのレベルはなかなかのものだった。そしてその秋に東京でやった時のトレーニングのレベルはかなり高かったよ!ほとんどのチームに、一人か二人、すばらしいハンドラーがいた。他のメンバーも、もちろん上達の余地はあるけれど、トレーニングにかなりの時間と努力を費やしたことは明らかだったね。 |
| 本部: |
ハンドラーについてはいかがでしたか? |
| 博士: |
全く異なる文化を持つ国で、K9ゲーム®のような変わったことをやる時は、「どう(受け止められる)だろう?」っていう心配もあるんだけど、日本のハンドラーは私の予想をはるかに上回っていたよ。ただ、日本人にはK9ゲーム®のルールは少し理解しにくかったみたいだね。ルールの第一条に「ルールはその場で変更されることがあるが、文句は言わないこと」って書いてあるだろう。K9ゲーム®の一番の目的はイヌと一緒に楽しむということなのに、それを忘れて、小さなルール変更に文句を言う人たちがいたのは残念だった。 K9ゲーム®は確かに一般愛犬家のための競技イベントだけど、一般の人に、イヌに優しいドッグトレーニングを知ってもらうためのPRイベントでもある。このイベントを開催する大きな目的は、イヌのしつけは実はとても簡単で楽しいものなんだということを一般の人々に見せて理解してもらうことなんだ。観客のためのパフォーマンスだから、「魅せる」ためにルールを若干変えたりすることはあるよ。 |
| 本部: |
博士から見て、第1回ジャパンK9ゲーム®は成功だったと思いますか? |
| 博士: |
最高だったよ!!本部の大会運営は完璧だった。72人と72頭を動かすということを考えれば、あれだけ正確に、時間通りに進行させるというのは大変なことだよ。今回は初の試みだったから会場の規模も小さくて観客動員数もまだまだだったけど、観客は回を重ねるたびに評判が広まって増えていくと思っている。見に来てくれる人をもっと増やして、TVにも出したいね。イヌに優しい、楽しいトレーニングというものをもっと多くの人に知ってもらうにはTVが一番効果があるからね。 |
| 本部: |
ジャパンK9ゲーム®の2日間で、一番楽しかったのはどんなことですか?特に印象に残ったイヌやハンドラーはいましたか? |
| 博士: |
東京のゲームを思い返した時にまっさきに思い出すのが、「イヌとワルツ」の2つのパフォーマンスだね。ビンゴと西田さん(チーム・ファンドッグス)の演技はただただすばらしかった。非の打ち所のないトレーニングもさることながら、僕がすばらしいと思ったのは、彼がイヌと演技することを心から楽しんでいたこと。イヌも、それに応えて、エネルギッシュに走り回っていただろう?あれが一番印象に残ったパフォーマンスだね。もう一つは、チーム「ドッグス・イン・ブラック」のパフォーマンス。あの演技はホントにクレイジーとしか言いようがないよ(笑)。日本でK9ゲーム®を開催することを思い立った時、まさにああいうパフォーマンスを期待していたんだ。日本人は楽しいことが大好きだし、クレイジーなことも好きだから「犬とワルツ」は日本人にすごく向いている気がしていた。この2つが、ジャパンK9ゲーム®での特別な思い出だよ。 |
| 本部: |
今後もっとたくさんの方に参加してもらえるよう、ハンドラーの皆さんにアドバイスをください。 |
| 博士: |
我々のやろうとしていることが何なのかを知ってもらうことだね。表向きは愛犬家と家庭犬のためのチーム対抗競技だけど、それ以上にこれは観客のためのパフォーマンスなんだ。いつでも最高の笑顔で、スポーツマンシップに則って競技をしてほしい。ジャッジの判定に納得がいかないこともあるだろうけど、彼らも一所懸命やっているし、参加者には何よりもトレーニングの成果を、そしてトレーニングの楽しさを観客に「見せる」ことを一番に考えてほしいな。これが僕からの一番のアドバイスだよ。とにかく、参加して、楽しんでほしいね。 |
| 本部: |
今年のK9ゲーム®にはどんなイヌやハンドラーに参加してほしいですか?子イヌはどうでしょう? |
| 博士: |
僕の愛するマラミュートを除いては(笑)、もっといろんな種類のイヌとハンドラーが見たいね。ハンドラーに関して言えば、子どもと男性に参加してほしい。あとは、ハンドラーの家族にはぜひ応援に駆けつけてほしいね。子イヌは…。このゲームは、ある程度しっかりトレーニングされたイヌでないと難しいし、会場もイヌや人でごったがえして騒がしいから、正直なところ1歳以下の子イヌにはあまり向かないと思う。
イヌについては、いろんな種類の、特にめずらしい犬種が見たい。訓練競技会に参加するイヌと言えば、イギリスならボーダーコリー、アメリカならゴールデンばっかりだけど、K9ゲーム®では、例えばドギーダッシュでブルドッグが勝ち上がったり、ミュージカルチェアに豆粒サイズのヨークシャーテリアなんかが出てくれると嬉しい。だから、もっと見たいのは、いろんな犬種と子どもと男性、だね。 |